65歳を過ぎたら考えたい「肺炎の予防」~ワクチンで守れる命があります~
こんにちは。墨医院の院長、墨卓哉です。
今回は「高齢者に多い肺炎」と「肺炎球菌ワクチンによる予防」についてお話しします。
■ 肺炎は高齢者にとって命に関わる病気
肺炎は、日本人の死因の中で第5位に位置しています。特に高齢者では肺炎による重症化や死亡リスクが高く、注意が必要です。
若い方であれば自然に回復することも多い肺炎ですが、75歳以上の方では7~8割が入院治療を必要とすると言われており、入院中の死亡率も10~30%と決して低くありません。
さらに、肺炎をきっかけに足腰の筋力が落ちたり、認知機能が低下したり、心筋梗塞や脳梗塞の引き金になることもあります。
■ なぜ高齢者は肺炎になりやすい?
年齢を重ねると、体の免疫力が自然と低下していきます。
また、飲み込む力(嚥下機能)や咳の反射が弱くなることで、食べ物や唾液が誤って気管に入り(誤嚥)、肺に菌が入り込むリスクが高くなります。
口の中の細菌が増えやすくなることも関係しており、「口腔ケアの重要性」も高まっています。
■ 肺炎球菌って何?
肺炎を引き起こす原因菌のひとつに「肺炎球菌」があります。
これは特に高齢者にとって重篤な感染症の原因となる細菌で、肺炎だけでなく、敗血症や髄膜炎といった侵襲性疾患を引き起こすこともあります。
■ 肺炎球菌ワクチンで予防できる!
肺炎球菌による感染を防ぐ手段として、「肺炎球菌ワクチン」があります。
これは65歳の方を対象に、定期接種として国が推奨しているワクチンです。(2024年から対象年齢が65歳の時点のみになりました。65歳以外の方は自費での接種となります。)
一度の接種で5年間ほど効果が持続し、以下のような効果が確認されています:
- 肺炎の発症予防効果:約27.4%
- 重症な侵襲性肺炎球菌感染症の予防効果:約40%
- 肺炎による入院を30%近く減らす
- 死亡率を下げるとの報告もあります
当院でも、65歳を迎えた方にはワクチンのご案内をしています。
また、心臓・腎臓・呼吸器に重い病気がある60歳以上の方や、免疫力が落ちている方(例:AIDS)も、対象となりえます。
■ 副反応は?
ご心配の方も多いと思いますが、肺炎球菌ワクチンの副反応は、比較的軽度です。
- 注射部位の赤み・腫れ・痛み → 数日で改善
- 全身症状(だるさ・発熱など)は1〜5%程度
- 重篤な副反応(アナフィラキシー等)は非常にまれ
■ 予防は、未来への備えです
当院では「病気は悪くなる前に予防する」という方針を大切にしています。
高齢者の肺炎は、防げる病気のひとつです。
「もう歳だから仕方ない」と思わず、今できる備えを一緒に考えませんか?
■ ご希望の方はお気軽にご相談ください
肺炎球菌ワクチンは、いつでも接種可能です。
65歳になったばかりの方や、過去に接種したかどうか分からない方も、お気軽にご相談ください。
受付または診察時にスタッフまでお声がけください。
あなたとご家族の健康を守るために、予防医療という選択を。